「金魚の屍骸は沼の底/木島宇太」の感想

今回は木島宇太さんのこちらー!すみれの蕾、黒と金の開かない鍵。、吉原彼岸花、と18禁乙女の方でも大変お世話になっておりまして、グラン・オダリスクのアスランも当然推し予定でございます。
そんなお声で同い年とはいえガッチリ血の繋がった双子の弟だなんて、聞く前から勝利が約束されている一本ですわ。

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以下、ネタバレ含みます。ご注意ください。

澄透くんは虚弱な姉を甲斐甲斐しくお世話している良く出来た弟でして、生活費を稼ぐのも家事もぜーーーんぶやってもらえる丸投げ生活です。
過保護が過ぎるきらいがあるんですが、「僕は姉さんの幸せのために生きてるんだから」「僕は姉さんが生まれた時から姉さんのものだし、姉さんは僕が生まれた時から僕のものなんだよ」なんて言われてしまうと、もうそれならそれで良いんじゃない?と私の“弟を愛し労働を憎む気持ち”が楽ちんな道を探しまくりです。
とりあえず第一声が「姉さん、おはよう」なため、開始1秒で私の死骸が沼の底でした。

ただまあ皆様ご存知の通り、そんな幸せがこの世というか近親姉弟物にあって良いはずがないわけですよ。
自立と自由を封じるべく履歴書と靴を捨てられて、その下着を買ったのも洗ったのも僕だし何ならそれでオナってました告白までしてもらって、この時点で相当アレなのが分かりますが、1番不穏なのがここまでのトーン。感情が全然乗らないんですよねーーー。
彼は一生をかけて綿密に計画して淡々と行動してきた堅実な人なんですが、
もっと、姉さんの自尊心とか自立心を、きっちりへし折るべきだった
と自省した上で暴走するという流れに律儀さと厄介さが現れててとても良い。

で、肝心の1発目ですが、弟に襲われているというのにほぼ和姦です。
いや、抵抗はしてる。
ただこの弟、温和な口調に隠しきれない圧が滲んでまして、多分目の当たりにするとめちゃめちゃ怖いんだと思う。
テンション低いままかと思えば突然昂りをコントロール出来なくなるし、「指増やしていい?」「ごめん、増やしていい?じゃなくて、増やすねが正しいね」みたいな自己完結してる感じにヤンの素養を大変感じます。しかもこれで童貞じゃないのが余計に闇深い。

やめない」「やめられないよ」「もう姉さんも僕も戻れない」と畳まれた末に、
僕と一緒に堕ちてよ
という近親に言わせたい台詞1位で挿入です。
弟~~~~!!!!!(祭)
挿れた瞬間感極まって笑っちゃうのとか、姉の涙への反応とか、一方的なのに「キスしながらイこうね」とか、これぞ弟の拗れ愛って感じ。いやもうほんと打てば響く弟よ。全部ある。

特に素晴らしかったのが、必死の抵抗で中出しはNGってことになるんですが
あ、ごめん。普通に中に出しちゃった
だろうね~~~~!!!!!(後夜祭)
こちらも全然悪びれないところが無邪気と策士が両立する身内ならではでさあ。

2発目はとうとう鎖で繋がれちゃてるんですけど、無視されたことに慌てた弟は仕事を休み、耳元でずっと言葉責め。
声が好きだって言われたことがあるらしくて初回でも「だからもっと聞かせてあげる」からの耳舐めがあるんですけど、ダミヘの使い方がすごく上手なんですよねえ。ちゃんと理由ときっかけがあって距離詰めてくるので、流れが自然で臨場感ある。
うなじ噛みつつのうつ伏せバックと耐久バイブを経て、最終的には姉の快楽堕ち。共依存姉弟の完成です。

依存執着調教のジャンルだとかなり緩い部類に入ると思うので、重めヤバめがお好きな方には正直物足りないかもしれない。
ただ姉弟物としては結構捻りが効いてて、一枚も二枚も上手な男なのにちゃんと弟みを感じられるし、「そうだね、姉弟だね」「姉さん、言うこと聞いて」「姉さん、姉さん、僕のこと愛して」「姉さんってマゾだよね」「キス?姉さんからしてよ」ってこのド真ん中を貫いてくれる豪速球の数々、どうですか?求めてるものここにないですか??(私のは9割ここにありました)

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