「時計仕掛けのアポカリプス」の感想

時アポ、正直舐めてました。すみませんでした。めちゃめちゃ面白かったし、クッソ萌えました。
Twitterでやってた実況 #時計仕掛けの弟のまとめなので、良かったらそちらもぜひ~~~。

アイディアファクトリー (2021-04-22)
おすすめ度の平均: 4.0
3 2人目まで楽しかった
4 万人向けではない!
4 シナリオ重視の方向け
5 シナリオが練られていて面白い
5 シャレマニ好きなら是非

時計仕掛けのアポカリプス

「時計仕掛けのアポカリプス」(Switch / CERO-C)
ブランド:オトメイト
発売日:2021年4月22日
定価:7,150円(税込)
CV:鈴代紗弓(ラチア・フィーリッツ), 寺島惇太(ルデル・クロイツ), 細谷佳正(リアン・ イェブラム), 江口拓也(クアト・ヘルトリング), 小野賢章(ジル・ ハニッシュ), 野上翔(ユナカ・ギースベルト), 緒方恵美(ガネット)

以下ネタバレ含みます、ご注意下さい。

良かったところ

・乙女ゲームであることが最大の演出

未来改変、ループやタイムリープを扱う装置として、ノベルゲームってすごく相性が良いんですよね。選択肢や分岐がある以上、普段から私達は戻ったりやり直したりしてるわけで。
時アポも後半かなりメタい展開があったりと、その特性を良く踏まえた構成になってます。ルートという概念を上手く物語に落とし込んでくれているので、没入感とはちょっと違う浮遊感を感じられる。
「乙女ゲーム」というもの自体が好きな人ほど刺さるんじゃないかな。好きだからこそ余計に辛い瞬間も多々ありました。
主軸を共有してるとは思えないほど各キャラそれぞれメインルート並みの濃さと強さがあって、満足度は非常に高いです。

・ラチアという女

普通こんな展開のド真ん中に立ったら、話が進めば進むほど萎縮して何も出来なくなると思うんだけど、ラチアはその真逆。
尋常じゃないコミュ力、強靭なメンタル、思い切りの良さ、突っ込んでいける勇気、守れないものは手放せる合理性。こんなヒロインなかなかお目にかかれない。
傍観観察選択、全部こなせるなんてもはや神の領域ですよね。元々女神スクルドに憧れていた彼女だけど、性質的にはかなり近いところまでいってると思う。
私欲を優先しない王様、神の声を聞いて戦った聖女、災厄から多くを救った指導者と、これまでも英雄クラスが箱の所有者に選ばれているわけですが、歴代と比べても全く見劣りしない風格。
それなのに、高尚さや神々しさは微塵もない、あくまでラチアという女の子であり続けるのが余計に凄い。本当に凄い女でした。

良くなかったところ

・全部聞かせろ

事前にとあるルートではパートボイスっぽくなるよ的な話を聞いて、その時は「ふーん、まあ脚本によってはそういうこともあるわな」としか思わなかったんだけど、実際にプレイしてみるとあまりの勿体なさに歯噛みしました。

・作品に魅力を足さないビジュアル

美しくて洗練されたビジュアルさえあれば、この作品は文句なしに名作であった。
オトメイトといえば顔が良い、くらい思ってるのでここのクオリティは死守してほしいなってのが正直な気持ちです。
ただBGMに関してはプレイ済作品の中でもダントツで素晴らしかったです。

・ハピエン後日談がお粗末

短いのは全然良いんだけど、いきなりそれまでの情緒が消えるし、本編と落差がありすぎて「えっこれで締めなきゃいけないの」と少々がっかりしました。
特にゲーム内で読める後日談って気分が最高に盛りあがったまま続けて読むことが多いので、おまけとはいえもうちょっと大事にしてほしかったなあ。

スケベメーター

・10段階中3スケベ

エロいことは全然しないです。リップ音はあるけど、舌を挿れるとラチアが怒ります。
ただこう、全体的にそんなことしてる場合じゃないストーリーの中で、それはそれとしてちゃんと恋もしようとする2人の甘さ。これが大変効いてる。
特に挿れない同衾が好きな方にお勧めしたいなあ。ラチアの攻め受けバランスが絶妙で、私はめちゃめちゃ萌えました。
どうしても公式スケベが読みたい方は、ステラ特典冊子で私が判じるまでもなく完全にヤッてるので、そっちで何とか。

弟メーター

・10段階中0弟

残念ながら弟はどこにもいねえ

攻略対象について

※攻略順に並べています

ルデル

【ルデル】完全無欠の男。善性に全振りです。全てをそのまま受け止めてくれるのに、重くない。これは別に丸呑みしてるわけじゃなくて、自分の感覚と力量に自信があるからなんですよね。ラチアとユナカで態度を変えないのも素晴らしい。
他人のために自分を犠牲にできすぎちゃって、そこに不健全さすら感じる程だったし、乙女ゲームの幼馴染みがここまでの人格者だなんてありえるか……?と最後の最後まで疑ってましたが、結局裏切られなかった。恐ろしいです。
特に真相、炎で追い立てるんじゃなくて炎を消すという平和的な解決を選択して即座に動けるルデルが、今まで努力で積み重ねてきたスキルとパワーの集大成って感じで最高に格好良かった。間違いなく上に立つべき男です。

リアン

【リアン】今作唯一の非童貞。リアンは基本的に他力本願というか、自分で未来を選べない人なんですよね。誰かに選んでほしいと思ってる。親友の夢を引き継ぐのだってそうだし、ラチアに自分を変えてほしいと言うのもそう。薔薇の蕾をプレゼントに選べるくせに、肝心なところは選ばないって、ほんとずるいんだよなあ。
こういう優しくて大人な色男が見せるずるさとか情けなさって乙女ゲーでは結構描かれがちだと思うんですけど、ただリアンがすごいのは、全然格好つけないところ。そのまま、ほんとそのまんまでめちゃめちゃ格好いい。
素のリアンと一緒にいる時の居心地の良さ、あの空気感はCV細谷佳正にしか出せないですね。

クアト

【クアト】最推しです。次から次へクリティカルヒットかまされて、えっこれも?えええええ、あれも!??みたいな、私の性癖見本市みたいな男でした。
特に壁ドンからの「何だ、流されるかと~」が圧勝でしたね!!!あの台詞の瞬発力はマジでやばかったなあ……。思わず録画&転送して、誇張なく何十回も見てるもの何十回見ても毎回喰らうもの。
誰かに未来を決めて欲しかったのがリアンだとすれば、クアトはどうしても未来を選べなかった人かな。選びたい未来自体は最初からあんなにも明確なのにね。
クアトに家を捨てさせるなら代償として誰かがヘルの課す罰を背負わなきゃいけないことを、ラチアも察してたんだと思うんですよ。
でも、クアトの罪を無かったことには出来ないし許してはいけない、その葛藤の中で選んだのが共犯者という立場で、実際憎まれたい恨まれたい許されたくないって気持ちが強すぎるクアトの傍にいてあげられるのは、理解者じゃなくて共犯者なんですよね。未来のために命の取捨選択が出来ること、アンバーを見捨てた時点でラチアはともに毒の川を渡る資格を得たわけです。
殺してもダメだし殺されてもダメ、それなら罪の象徴としていつも見える場所に立ってあげたんじゃないかなあ。
それが結局クアトの背中を押すことになるんだから、遠回りに見えて最短かつ唯一っていうラチアの無駄のない行動がもう凄すぎちゃって、痺れるやら泣けるやら。
これも全てなぜラチアが全てを知ってるのか追求しないクアトのおかげだし、それが彼の取れる行動の中で最大限のSOSだったのではって考えるともう……エモ………あとリップ音エロ………。

ジル

【ジル】これはさすがに誰を置いてもずっと傍にいてあげたいでしょ……。
長い時間の間で、葛藤したり卑屈になったりしただろうし、めちゃめちゃ荒れてた頃もあったと思うんですよ。天使ちゃんは170年であのキャラだしね。それを経て、あの穏やかな不思議ちゃんに落ち着いたんだと思うと、もうそれだけで愛おしさ爆発しちゃうというか。
愛情表現がストレートなんだけど、彼の場合は色々あったものが削がれて磨かれた結果だよなあ。地上の美しさを語る時だけ詩的になるのがすごく切ない。
欲を満たす楽しさ気持ち良さを知ってもらえて本当に良かったし、ガネットさんはもっとジルと一緒に遊んであげてほしい。

ユナカ

【ユナカ】ユナカとラチアってすごく似てて、取る行動や考える事が結構被ってるんですよねえ。だけどどうしてもユナカじゃダメなのが、前半見てて結構辛かったです。特に一度何もしない選択をする回。
ただ元々大好きな幼馴染のあんな視点を長々見せられちゃったらさあ~~~。やっぱりラチア可愛いしか言ってねえ~~~~~~。
あんなにも強かったラチアがユナカルートではまたお花畑ちゃんに戻っちゃうので若干イライラもしましたが、いや、いいんだよな強くなくても……ってとこに着地しました。多分こっちの方がラチアらしいんだろうし、それを考えるとやっぱりラチアにはユナカなんだなって気がします。
めちゃめちゃ童貞なんだけど特に童貞なのが、告白を今聞くか後で聞くか選ばせるところ。一見、恋愛上級者風なんだけど、この例えようがないけど確実に香る童貞くささ、分かります?優しさや気遣いがスマートになりきらない感じがすごい可愛いし、素直に感謝するラチアもすごく可愛い。2人はずっとそのままでいて。

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