君雪の総評でーーーす。結論から言うとめちゃめちゃ好きな男に出会ってしまいました。ハア………
Twitterでやってた実況 #弟雪 のまとめなので、良かったらそちらもぜひ~~~。
とても良かったです。
おすすめ出来ないレベル
個人的には良かったです
印象に残るようなルート一つもない
全然面白くない
「君は雪間に希う」(Switch / CERO-C)
ブランド:オトメイト
発売日:2021年7月29日
定価:7,150円(税込)
CV:小林裕介(篁智成), 前野智昭(東条國孝), 山下誠一郎(与市), 佐藤拓也(久賀源十郎), 浪川大輔(錦次), 斉藤壮馬(桜太郎)
以下ネタバレ含みます、ご注意下さい。
良かったところ
・王道の強さ
心が無いので落としようがない攻略対象に、ヒント無しで他人と接するのが初めてな主人公。そりゃこんなの幾らこねくり回しても壁に映るシルエットは一昔前の王道になっちゃうよ。
例えば余市は主人公が好きで天の邪鬼な態度をとってるわけじゃないのでツンデレではないんだけど、ただ実際に提供されるのはツンデレなんだよね。
世界観によるこの捻れが作品の特色ではあるけど、かといってやりすぎると大前提が崩れるし、色々と塩梅が難しかったと思う。
一見あるあるだし王道が物足りない方には手応えないかもしれないけど、テンプレってやっぱりテンプレになるだけの力があるんですよ。
どの作品にも言えることだけど、これは斜に構えず萌えたもん勝ちです。
特に「好きでも嫌いでもない」って理由なき無情を前半どれだけ情緒的に受け取れるかに懸かってる気がする。
・世界観と設定
この設定でやれることってすごく多くて、命がけの恋に逃避行に密通裏切りなんかの共闘敵対物あるあるから、奇跡や乗っ取りみたいなザ・ファンタジーに、病死に余命までぶっこめるんだから、マジで何でもありです。よくここまでどうにでも調理できる美味しい素材揃えたなあって感心した。これは上手い。
・ヒロインの恋愛脳
ここは本当に好みの問題ですが、これくらい色恋に過敏な反応してくれるヒロイン好きなんですよねえ。恋愛感情じゃないのが分かっている相手の一挙一動に振り回される様子にすごく共感したし、めちゃめちゃ萌えた。
紗乃は物語の台詞を喋ってる感が薄くて、その時の感情でつい言ってしまったり、悩みながら大切に選んだり、一つ一つの言葉にちゃんと血が通ってるように感じました。ぽっと色づきながら存在してる現実的な人間らしさがある。
美しい世界には美しい人間に立っていてほしい人が多いだろうとは思うんだけど、プレイヤーと物語の繋げ役としてはなかなか絶妙な立ち振舞じゃないでしょうか。
良くなかったところ
・アンチテーゼれてない
パケ男が真相へ繋がるメインルートから逃げ続けたり、ヒロインが攻略を頑張るほど彼らを追い詰めているって構図に、とても皮肉めいたものを感じます。
だからこそ、ヒロインへ恋したせいで心と記憶を取り戻し、ルール通りに処分されてしまうBADが無かったのが残念。ここは日和らず描いてほしかった。
せっかくの設定も、御庭番と吉宗の甘さと紗乃の持つ力でほとんど何とかなっちゃうのがもったいないです。
特に一族の力が万能すぎる。もう少し出来ることが少ない方が物語に説得力が出たんじゃないかと思う。
・手厚すぎる
主人公が嫌われないように細心の注意を払ってるのがすごく伝わってきてしまうというか、ライターさんが彼女のフォローをしすぎてるように思いました。
シナリオも同様で、あからさまにアンダーライン引いてくるのと回収が懇切丁寧すぎるのがやや余計だし、戦闘描写も解説寄りでテンポが悪い。こっちの読解力をあんまり信用してくれてない感じがする。
ただ手厚いからこそ恋愛過程を繊細に拾って積み上げていってくれているので、乙女ゲーとしてはこれで正解なのかもしれないな。
スケベメーター
・10段階中2スケベ
残念すぎることに奇虚は性欲がないんですよ!!!そんなことって!!!!!
とはいえ清廉潔白というわけでなく、意外と色っぽい話題にも触れてくれたので、思ってたよりは満たされました。
作中ヤッてくれたのは智成だけ。奴は確実に2回抱いてます。負い目のある、幸せとは言い切れない濡れ場ですが、Cならまあこんなもんですかね。
ただ全然ゲーム内容に関係なくて申し訳ないんだけど、すごくエロいんですよ、彼らの背景と住む世界が。
身体は乗っ取られるし、触手は蠢き放題だし、形人が遊郭で働いてるし、闇深くて猥雑な暗部が見え隠れしてる。あの江戸という町を舞台にしたエロゲがほしい。
弟メーター
・10段階中0弟
いねえ~~~どこにも見当たらねえ~~~~~
攻略対象について
※攻略順に並べています
【与市】そうです、出会ってしまった男です。とにかくその素っ気ないところと、頼りがいがあって実はすごく常識人で大人なところと、乗せる甘みが絶妙なところと、「はぁ?」が好きすぎる。どこで会っても好き。もう本当に全部好き。
恋人契約展開も大好物だし、みんなが寝てる場所でこっそり会うのとか最高に萌えちゃう。
彼がいる時点で君雪は100点。一生愛す。
【錦次】クールビューティーと思いきやパワーで押し切っちゃう脳筋なのが愛せる。しかも意外と独占欲強いんですよね。
「判断」と「期待」の使い分けとか、自身の身体を囮に戦ってた人が同じことをしようとする紗乃を止めるのとか、少しずつ少しずつ2人の気持ちが正しい形で通い合う過程にニマニマしました。特に錦次さんは名前呼びが強かった、タイミングが完璧。
神社で別れる時の挨拶に今の夫婦っぽいって思う紗乃も可愛かったなあ、こういう時ってそんなことにも嬉しくなっちゃうよね。
【東条國孝】見た目は1番男らしいんだけど、元の主人と同様、実は結構情けないんですよねえ。情けない男で何が悪いんだって発破をかける紗乃の方が男らしい。(その残酷であまりにも鈍感な自己完結)に1度落とされて、振り合った後に改めて追い上げてくる展開も良かったです。
道具返りが免れなかった場合、紗乃を連れて逃げるつもりだったのにめちゃめちゃグッと来ちゃった。
彼はつまり道が外れなきゃ余市と義兄弟的な関係だったってことですよね?なにそれエモ……
【久賀源十郎】とにかく彼は突然始まる同居生活よ!!!寝る時におやすみなさいって言った方が良かったかな?っていちいち細かいところが気になっちゃうのが、あ~~~この距離感の同居たまんねえ~~~~~って感じでたまんなかったです。
源十郎ルートは対話を大切にしてるのが特に素敵だったな。何を考えてるのが全部話して全部話してもらうのって本当に大事。読み解きあっていく2人の正解感、強かったです。
それなのにあんなに容赦ない悲哀ENDが来てしまうとは…………。
【篁智成】御庭番辞めた方がいいんじゃないかって言われた時に、私の才能は必要だって言い返す紗乃にすごい共感しちゃったんですよね。御庭番の居心地の良さ、自分の価値を認めて求められることの喜び、もともと優しい性格だし、あんなに孤独な半生を送ってきてるんだから、そりゃ今更手放したくないだろう。
どうして私なんか好きになったの?って言う女大嫌いなんだけど、あの時点ではしょうがないとも思う。自己肯定感が最低ですもんね。
厳密にいうと一目惚れではなかったわけだけど、本当に違うって言い切れるのかな、分かるのかな、一緒なのかもしれないよなって、心の有り様と不確かさを考えさせられてしまった。
本当に優しくて素敵な人だなって感じたのが、答えがどうであれ最後まで責任を持つって言ってくれた瞬間。あの状況だと脅しになりかねないもんね。あそこであの台詞はすごく安心感あるし超男前。あとBADが秀逸。
【桜太郎】照れると口を覆う癖可愛いね!!!って普通に萌えてました!本当に見る目がない!!!ただ私、絶対に通じちゃいけない相手を好きになっちゃう宿敵カプが大大大好きでして……もうこんな2人推すしかないわけ……。
ただ情愛はさすがにこの一件に巻き込まれて死ぬのは浮かばれなさすぎてやだなあと犠牲者に同情してしまったので、悲哀の方が好きですね。桜太郎視点でのイベントリプレイ、最高でしたわ。
白皙の一族もさあ、想像するとすごく切ない話だなあと。宵禍がいなくなったことで自分たちの役目ひいては存在価値まで失ってしまったんだよな。それだけを支えに理不尽な迫害にも耐えて人間達のために働いてきたのに、あとは大義名分無くひたすら耐えるだけだもんね。そりゃ折れるし、なんかおかしくなっちゃうのも分かる気がする。