ほんとにすっっっばらしい作品でした!や~~~楽しかった!
主人公・攻略対象・サブキャラルートクリアしたにも関わらず未だ既読率75%っていうとんでもない作り込みですが、ひとまず総評です。
Twitterでやってた実況 #ジャックとジャンヌの弟のまとめなので、良かったらそちらもぜひ~~~。
ただただありがとう
捨てキャラのいない乙ゲー!
よかった!!!
周回に向かなすぎる
楽しい♪今日も頑張ります(笑)
「ジャックジャンヌ」(Switch / CERO-B)
ブランド:ブロッコリー
発売日:2021年3月18日
定価:8,580円(税込)
CV:寺崎裕香(立花希佐), 近藤孝行(高科更文), 笠間淳(睦実介), 岸尾だいすけ(根地黒門), 梶原岳人(白田美ツ騎), 内田雄馬(織巻寿々), 佐藤元(世長創司郎)
以下ネタバレ含みます、ご注意下さい。
良かったところ
・構成とシナリオ
シナリオに関しては満点近いんでないだろうか。緻密で計算高い構成、断片が絡み合い、まさに歯車で動いてる機械のよう。よくこんなの組み立てられたなって、その地道さに気が遠くなりました。
キャラクター、楽曲、その他細かいところまで、全体的に完成度はとても高いです。すごく丁寧に物語と世界が作り込まれている。点と点が至るところで繋がりまくっていて、特に劇中歌が絶妙な抽象さでストーリーをふんわりと彩ってるのに痺れました。
主人公のボイスONが前提なところがプレイスタイルによっては足を引っ張るかもしれないけど、乙女ゲームとしての魅力も十分。
地文がなく台詞と心の声で進行するソシャゲ型のシナリオなので序盤はちょっと物足りなさと違和感がありましたが、最終的にこのスタイルで大正解だと思いました。
これはもうどんな形でもいいから今後の展開をお願いしたい。加斎くん…加斎中くんをどうにかさせてくれ……頼む……。
・熱い
演技を見てすぐ汲み取ったり、「きた」とか「いけるな」とか先輩達が瞬時に察知するアレ、燃えシナリオのツボを押さえまくってて昂まる。一択選択肢もADVならではの煽り作法で最高だった。これだから様式美を扱える手練達が作るゲームはたまらん。
キメて欲しいところでしっかりキメてくれるんですよねえ。ちゃんと盛り上げきってくれるのって本当に気持ちがいいです。久しぶりにこういう感情で泣きました。
最近の乙女ゲームにはブワッと鳥肌が立つような「ドラマチック」がやや欠けてると思うんですよ。一般や男性向けのこういうベタベタな魅力、ぜひ取り入れてほしい。
・劇中劇の魅力
ルートを経るごとに公演作品への理解と解釈が深まっていく感じ、芝居の稽古も一緒だよなあ。
それまではしっかりリンクしつつもあくまで舞台と現実に明確な線引があったけど、ユニヴェール公演のあやふやさと劇中劇中劇という3重構造は特にすごかった。希佐という器が映す心の奥の、そのまた奥ですね。
パートナーによって見える景色を変えてくるのも巧すぎて唸ったし、タイトル回収までしてくれるなんて完敗です。
私は冬公演が1番好き。ユニヴェールという場に縫い留められた人間のエゴとエゴのぶつけ合いの物語。その中でも希佐の異質さが際立ってて、脚本と演出が秀逸でした。
・キャスティングの妙
主人公・攻略対象はもちろん、サブまで全員素晴らしかった。
そこに使うか~~~って意外性もあったし、キャラと声を純度・高度ともに高い視点でちゃんと扱ってる印象を受けて、ますます作品愛が深まりました。
良くなかったところ
・痒いところに手が届かない
アップデートでかなり良くはなったんですけど、回想に入れてほしいイベントは他にもあるし、セーブ・ロード・ログ閲覧はいつでも出来るようにしてほしいし、マップ選択に既読マークほしいし、って、まあキリがないですけどね。
あと誤読が多いのがやや気になる。
・ラスト曲の歌詞
あそここそめっちゃめちゃ強い日本語詞でそのままノックアウトされたかったです。頭が一回リセットしちゃってやり場がなかった。
スケベメーター
・10段階中0.5スケベ
残念ながらスケベではありません。ただ判定歴10年強の私から見るに、創ちゃんとカイさんは作中ヤッたと思われます。
弟メーター
・10段階中0弟
残念ながら弟の気配はありません。むしろ先輩や先生に愛でられる希佐ちゃんに1番弟みがある。
攻略対象について
※攻略順に並べています
【織巻寿々】スズくんは波風立ててでも友達に怒れる人で、自分だって傷つく可能性があるのにああやって保険かけずに真正面からぶつかって行けるのが本当に格好良かった。例の場面、鳳くんを押しのけて、いや僕がやりますって創ちゃんは言えないと思うんですよ。頼まれてやるのが1番楽なの承知の上なんだよな、強くて賢くて優しい男だよお前は~~~。
白田先輩の嫌味が全然効いてないのも可愛いし、新人公演のサビでパーーーンと入ってくるとこめちゃめちゃ好き。バレンタインでは大変気持ちよく死なせて頂きました。
それにしても寝坊に怒らない先輩方の度量よ、べき時べからず時をあの歳にして弁えてますね。
【世長創司郎】大多数の凡人を代弁してくれるルート、と見せかけて、創ちゃんだって一流の才人なんですよね。天才2人と演劇ごっこやってたんだもんなあ。あそこで培われたものはすごく大きいのではないか。
展開も結構容赦なくて、バドエンが無いのにグリグリ抉られました。すごく人間らしい。あとすごく童貞。2人だけの時は付き合ってる感出してもいいかわざわざ言質取るのとかめちゃめちゃ童貞。
個人的には合宿が個室かどうか気にしてくれるところで超グッと来ました。描かれてないけど、多分常日頃からずっと気を回して希佐を守ってあげてるんだろうなあ……こんなの絶対報われてほしいよなあ……。
【白田美ツ騎】白田先輩はさ~~~もうとにかく冬公演がさ~~~~~。何回見ても許されるとこで泣いちゃうんですよ……。罪がふっと消える感じは白田先輩のあの声とあの姿とあの人柄でしか出せないですね。
もともと私こういう孤高に見えて温かい人大好きなんだけど、特に肝試しで信じるけど今は言うことを聞けって言われたのがすごい素敵だった。合理的で頼もしい。カイフミ解消の時、根地先輩にらしくないよって言われるのも、普段どれだけ気を配れてるのかが伝わってきて拝みました。
お互い1日何をしたか報告しあうのも、気持ちの共有が大事ってちゃんと分かってるところに、恋人としても組長としても信頼できる将来性を感じられて……ハァ……ミツの良さ永遠に語れる……。
【高科更文】色気と漢気があんなにバランス良く成り立ってる人なかなかいないよ!こんなのみんな好きでしょ!!!私なんてフミさんルート道中ほぼヤバいしか言ってなかったよ!!!!!
親密3あたりから明らかに声音が甘くなるのがたまらなかったですね。クリスマスの「寒くね?大丈夫?」なんて完全に彼氏のそれ。誰もが一目置くカリスマ上級生がだんだん自分の彼氏になっていくのエグい。フミさんが彼氏だったら毎日楽しいだろうなあ、甘えるのも甘えさせるのもめちゃめちゃ上手だと思うんですよねこの方。最終公演前に、山でカイと語るシーンもすごく良かった。
役で印象的なのは、やっぱり秋公演かな。死体を古い慣習と捉えると、それを材料に魂を吹き込んで新しい生き物を作るメアリーはフミさんそのものだし、人形たちはママだけは常識や勝負から自由になってと送り出すクォーツ生かもしれない。実家に帰るミゲルも良かったなあ。
彼は誰のルートでもクッソ格好いいんだけど、私が1番好きなのは根地先輩を迎えた時の「やることあるな?やってこい」。あれはもうちょっといい男すぎてしばらく頭を抱えました。
【睦実介】すごく真面目で穏やかで、みんなの稽古に付き合って相手役とかしてくれてるのに、その合間に自分の稽古もやってるんですよねカイさん。しかもみんなそれをちゃんと知ってるってのがもう。カイさんのルートは関わる人が一丸となるストーリーが素晴らしくて、みんなの深い愛情と温かい眼差しが沁みました。本当に愛されている。神父から座長になる流れも素晴らしかった。
フミさんがジャックエースになって希佐とパートナーになるのカイさんはすごく嫌だろうなって思えた瞬間、あ~~~カイさ~~~~~んってなりました。
【根地黒門】いやもう天才としか言いようがない。双子のかりうどに速攻で修正したり、卒業後1年分の脚本用意してるのに、ビビりつつも惚れ惚れしました。肝試しの教会とかフミさんの衣装縫直しとか、経験を昇華する力がもの凄い。
CV岸尾だいすけの振り幅には慣れてるつもりでいたんですけど、全然抗えなかったですね。「おいで」が全部ヤバい。特に親密5が強すぎた。希佐ルートでの周りを頼る先輩もすごい好き。
根地先輩のストーリーは変なもらい方をしてしまって、泉が沸かなくなることへの恐怖と絶望って想像も理解もできるし、根地先輩の場合そこへ全愛情を注いでるんだから尚更だよなあ、とちょっと納得しかかってしまったところを希佐ががっちり引き止めてくれて、一緒に救われたような気分になりました。海のシーンはどの選択肢以降も強かったな。