燐の感想

輝夜編2匹目、燐まいりまーーす!

燐(女王蜂の王房 輝夜編)

良いもん見た

以下、ネタバレ含みます。ご注意ください。


こんなエモナイーブな関係、どう紹介しろと……
感情のゆらぎ方があまりにも繊細なので、私みたいなのが要約してちゃんと伝わるか心配なんですけど、とりあえず先にED並べときます。燐のEDは7つ。

「同族喰らいの業」
るびたんかわゆEND

「悪鬼」
B級ホラーEND

「いつ終わるともしれぬ陵辱」
再監禁END

「女王陛下の愛玩動物」
めのうマッマEND

「幸福な死」
心中END

「血塗られた歴史」
絞首刑END

「無慈悲な夜明け」
クソエモEND

燐も確かに嗜虐を煽るタイプではあります。
ただ実は結構マイペースだし、輝夜が与える苦痛はそのまま受け入れるけど、かといってそれで心を明け渡す程でもないというか。正直なところ、彼女が相手なら痛くても痛くなくてもどっちでも良いんじゃないですかね。
自身のクソデカ感情を持て余しまくってる輝夜を一歩引いたところで眺めてるような、当事者としての意識が薄い印象を受けるんですよねえ。意外と視野は広そう。
今回特に輝夜が必死なせいで余計にそれが信頼なのか諦観なのかが分かりにくいんですが、信頼から徐々に諦観へ、で最後の抵抗に繋がったのかなという気がします。

ただ基本的には完全なる傷の舐め合い。いや、自分で自分の傷を舐めてる姿の見せ合いってのが1番近いのかもしれない。
本当は誰かに舐めてほしいのに、2人とも自分の傷を自分で舐めながら生きてきたから、経験上そっちの方が手っ取り早いんでしょうかね。
2人で1人と言い切ってしまえる程本質は似てるのに、そのせいで永遠に交わらない。真っ当な恋愛をするにあたっての相性は最悪です。
だからこその道中とあの結末なんだよなあ。その先にあるのが破滅しかないのを知りながら、依存して利用して、それでもお互いへの愛を貫き通した、すっごく切ない生き様でした。
そもそも、虐げられてきた王女と、そんな王女に拾われた元奴隷、この時点で十分エモい。

最初に、おおこれは意外と征服しきれないタイプかもしれないと思ったのが、
私の世話係に見つかりそうになった時には、あなたがかくまってくれたりもした。とっても素直で純朴な、可愛らしい男の子だったのよ
今は違うのかとでも言いたげな瞳の奥を、私はじっとりとのぞき込んだ。
でチラリと光るしたたかさ。
この時点では今まで通り弱者として生き抜くつもりだったのが、強者として輝夜を支えるために力を欲するようになるのは、皇樹への嫉妬と、思ってたよりこの王女さまは弱いのを知ってしまったのもあるんだろうなあ。

燐ルートの輝夜が終始不安定なのって、心底無理してるからだと思うんですよ。
まず、幼少期に関わってるから距離感近いのもあって、
燐に対しては羞恥心がある
んですよね。
燐とセックスするのが輝夜は恥ずかしいんだよなあ、これがかなりデカい。
取り扱い方を間違えると、今までの搾取で散々味わった恐怖や屈辱や憎悪なんかと同レベルの痛みに成りかねないもの。その裏にちゃんと罪悪感が滲んでるのも倍痛そうでゾクゾクします。

そんな事知ってか知らずか、皇樹が輝夜の服をひん剥いて、
なにをしているんです、燐。ぼんやりと突っ立っていないで、王女さまのおみ足を押さえて差し上げなさい
そうですよ、だからしっかりと王女さまの足を割り開き、蜜の滴る部分を見て差し上げなさい
と煽る煽る。あのお兄ちゃんはマジで何考えてんだろ…未だに全然分からねえ……。
可哀想に輝夜は羞恥と屈辱のW効果で泣いちゃうんだけど
わずかに開いた目尻から涙が伝い、その冷たさとくすぐったさに、もう、体中が性器にでもなればいいのにと思った。
涙の刺激も惜しいと思う境地
相変わらず濡れ場の表現がキレッキレだよ。

輝夜が燐に欲情するのがまつげってチョイスもすごく良くて、
そのまつげの際を尖らせた舌の先で丁寧に舐めなぞり、それから頬に口づけ唇で食みながら、その濃いまつげの数を数えていたい。
いや~~~ミクロなパーツ萌えで素晴らしいね
このままの感じでいければ、いつか素直に愛し愛される関係になれそうなんだけどね、まあそこは…女王蜂の王房だから……。

モブ姦救出を皇樹に譲るしかなかった燐の傷心と自虐にブチ切れた輝夜は、初めて燐を精神的に追い詰めるんだけど、
傷つけたくなどない。
ああ、けれど傷ついて。私のせいで傷ついて。
私を好きだからこそ、傷ついて。
と燐を傷つけることで得られる罪悪感と恍惚感と焦燥感にメッタメタにやられてしまうわけです。
彼女は生まれと経験のせいで自然に身に着いたのか、センスはあるんだよなあ。
ご主人さまに散々痛めつけられた後に
おいで、燐。昔の私で抱き締めてあげるわ
なんて言われたら、チョロドMは間違いなく信奉してしまうよ………。

愛する主・輝夜のためにチート強化な魔眼手術を受けたいと燐の申し出。
これを一旦棚上げして、とりあえず女王に挨拶を…と向かった先で出逢った紅玉に首絞められちゃうとEND2。

紅玉を上手いこと陣営に引き込んだらこれが余計に燐の不安を触発。
なにを引き替えにしてでも僕は欲しいんです!でなければ僕はずっと生殺しだ……。あなたのそばで、ずっとずっと苦しまなきゃならないんだ!
という懇願と皇樹のフォローで手術することになりまして、
要は麻酔無しの眼球交換です
軽めですが神経ブチるところまで描写されるので、苦手な方は要注意。魔性眼鏡よりは感触がもうちょいリアル。グロめなBLや男性向けが読める方なら全然大丈夫だと思います。

虚が麻酔を処方しようかと聞いてくれるんだけど、皇樹が言うには痛みを感じてこそ魔眼は威力を発揮するらしいのでね…ほんとかな……。
それを隣で聞きながら手術台に固定される燐のスリルよ。
苦しむ燐より「続けなさい」と一言促す皇樹に萌えちゃったんだけど、でも燐の悲鳴は凄かったな~~~。
耳を覆いたくなるような悲鳴って書かれてたけど、抜けるような、聞いてて気持ちがいいハイトーン絶叫。さすが魁皇楽さん。

そこからあれよあれよと言う間に虚は真っ二つ、皇樹は手刀で胸を貫かれてドデカい穴が開き、輝夜は乳房を噛み千切られ、燐の脳と目玉は破裂。
なんというド派手な地獄絵図
こちらがEND3。

大事故を回避して手術は無事成功、と思いきや投獄されていたはずの貴峰丸から魔眼のデメリットを教えてもらうんですが、このままだと3ヶ月以内に死ぬ!案の定だよ!!!オイ皇樹~~~お前~~~~~!!!
つまりは、こいつを暴れたいだけ暴れさせ、その上でおまえがこいつを操ることだ。飼い犬に手を噛まれれば、ふたりで死ぬものと思え
飼い犬のコントロールには王蜜が使えるね♡
なーんて、図らずも輝夜は燐を抱く理由を得てしまうわけでして。
これさあ、よりによってこの2人が生きていくためにセックスしなきゃいけないのは、ほんとキツイよ。逆を言えば、ただ相手のことが好きだから抱くという経験をもう二度とさせてあげられないんですもんね。そんなの虚しいばかりでしょ。

ところが、なぜかドチャクソに怒っている皇樹に例の小屋へ連行されてしまうんですよ。
待て待て待て待て、確かに虚しいとは言ったけどせっかくだから1回くらいやらせてあげては!??という私の提案は一切届かず、早速足蹴にされてスーパーお折檻タイムがスタートしちゃうんですが、結論から申し上げますと、この濡れ場素晴らしかったです。
またしても燐ルートだというのに書いちゃって申し訳ないけど(だって毎回出しゃばって来ちゃうからこの人)
身体を支えながら殴りつける
っていう容赦のなさも本気度高くてプロいし、
こんなにも素晴らしい痛みを、あなたに与えることのできる雄が、私以外におりますか?
からの壁ドン挿入なんて完璧だし、まーーーた近親相姦ごっこしてるし、しかもこれ貴峰丸への嫉妬が発端ぽいんですよ。
分からん。理不尽すぎて何も分からん。
お兄ちゃんの気が済まなければ無慈悲なEND6です。

お城に戻り、王蜜を与えるべく躊躇する燐にフェラするんですけど、勃起はしてるんですね。
身体は正直なかわいこちゃんたまんねえな!!!と遠慮なくショタ愛でモードをオンさせて頂きまして、
だ、めっ、そこっ、おしっこ出るところです……っ!
って女の子みたいな受け声にニチャアしてたら、
見上げれば目が合い、燐が切なげに泣き出しそうな顔で目を逸らす。
気持ちよさにあごを仰け反らせるそのアングルが、なんともいやらしく感じられ、私はさらに必死で燐のものをしゃぶり続けた。
確かにそのアングルは神~~~~~
射精してズボンの前を必死に合わせながら部屋を飛び出していくまでワンセットでナイスショタ。
性器が少しだけ小ぶりなのも解釈一致です。

ただちょっとやりすぎちゃったみたいで、燐が輝夜から距離を取ってしまうんですよね。輝夜もだんだん寂しくなってきて、燐を穢すべきではなかったと後悔するんですが、そんな中、燐が暴走。
めのうを守る紅玉とガチンコすることに、ってちょっと待って
紅玉の手てこんなだったの!!????
なんか……微妙に……奴の鎌を彷彿とさせるような……………。
いやいやいやいやまあまあ見なかったことにしまして、闇堕ちしたCV魁皇楽は大変に性癖なんで、この狂人VS悪鬼はめちゃめちゃ俺得でしたわ。

女王の横槍で一旦解散、めでたく和解して一安心、部屋に戻ると両手拘束されたマッパな燐が鎮座。何この据え膳wどういうことwww
まだまだ苦しそうな燐に跨って挿入ってシチュ自体はスケベだし、抜かず2連発ってよくありますけど、特に説明もなくいつの間にか復活してて、ふ~~~ん体力あんだねとしか思わないことが大半なのに、今回はちゃんと膣筋何度も締めてあげてるんですよ。
この射精から再勃起までの間を納得できる形で描写してくれたの初めてかもしれない。
抜かない意味がようやくあった
ただ輝夜がね…ずっと泣いてるんですよ……。
こういう形でしか繋がれない状況、悔しいだろうなあ。気持ちよくなるまで時間がかかるのも切ない。
燐が大好きなのに
もう一度きちんと、あなたを抱いてもいいですか……?
って言われて号泣しちゃう輝夜がさあ……こっちも輝夜が優しく抱かれてるのを見ると泣きそうになるんだよ……。

皇樹に嵌められた挙げ句、貴峰丸のリンチで耳と声を無くして、めのうマッマに飼われる、ってもうどうしようもなさすぎるのがEND7。

暴走した燐の再調教をすることになり、鞭打ちからの強制舌ピ。
対面座位でそのまま挿入するんだけど、痛がりながらキスに応える燐がほんと可愛くて……。
輝夜も舌の様子と与えている痛みを想像している、実際に血の味と鉄の匂いまでしてきそうな描写でした。
最終的には乳首にピアス、しかもきっちり2回ニードル刺して(針の貫通した乳首を見つめながら、反対側の乳首を舐めしゃぶる。)なんで、相変わらずいい趣味してます。

ここでそうじゃないかな~と思ってたことが確信に変わったんですが、
もうずっと、ここ最近……、こんなふうに心が痛いことが、気持ちがいいのだ……。
輝夜はやっぱりMだよな
精神的な被虐欲を満たすために、愛する男に加虐的な行動をとってるんですよね。
回りくどいしややこしいんだけど、サディズムとマゾヒズムは紙一重的な本質を突いてる気がします。
痛いのは生きているからよ。痛いのは、生かされているからよ。燐、燐、あなたは今、生きているの。よかったわね、燐。あなたは生きているのよ
ってこれ自分に言ってるんだよなあ。
そりゃこんな無理してたら、情緒もおかしくなるし、セックスするたびに泣くよ。もーーーやめなさいよーーーーー。

で、やっぱり「愛している」という言葉に満たされた2人はそのまま死んじゃうんです。
だと思うよ。選ぶと思うよ。しかもこのルートでおそらく1番幸せな結末だとも思うよ。だってもう後は辛いだけだもんなあ。
ただどうしてもこんなところで死んでほしくない私はEND8のその先を目指して血眼攻略。

めのうが乗っ取られるのを防ぐため女王を殺すことにするんだけど、そんなことさせられない、真っ向から討つのではなく僕に暗殺を命じて下さいと願い出る燐を一回断るんですね。そりゃ輝夜は許さないよね、こんな状態で燐を前線に立たせたら失うかもしれないんだもん。
そこへ皇樹が、調教し直して大丈夫そうなら暗殺を任せてやったらどうか、と鬼畜アドバイスをぶっ込み。賭けですよこんなん。皇樹はほんと底意地が悪い。

ともかく屈辱を与えることにする、ただ燐は痛いことが嫌いじゃないのでしない、ってことは?アレしか??ないじゃない???
これから皆の前で、自慰行為でもしてもらおうかしら
ハイ来た
虚、雌の服を用意してきなさい。今すぐに欲しいのだから、蟲で編まないで、どこからか調達してくるのよ
しかも女装オプション付きです
あら~~~~~まさか乙女で女装オナが拝めるとは思わなかったですね~~~~~~
虚が調達してきた服ってのがピンクのフリフリで、面白いこと思いつきますね(ニヤニヤ)みたいな皇樹もクソ熱い。
まさか、どんなふうにすればいいか分からないわけではないのでしょう?
わ、かり……ません……
って普段はヒロインがやられがちな羞恥煽り一直線、なかなか勃起しないのもヒールで踏みつけるのも射精した瞬間に急激にしらけるのも、展開と内容が完璧で、その100%返してくれる姿勢に私は若干引いたよ。

土壇場で燐に裏切られ、全てを失うEND9。

で、ようやく生きて辿り着くのがベストです。ベストか?いやでもこれベストだなあ。
罪を被った燐とそれを許しためのうのおかげで、2人はともに生きていけることになるんですが、燐にだけ朝が来る度に記憶が消える術をかけられるんです。
目が覚めれば、なにも分からない怯えた瞳で私を見つめ、夜が更ければ今日のことを忘れたくないと泣きじゃくる。
名前と身体しかない2人がどう1日を過ごすのかっていうと、セックスしてるんですよ。削ぎ落とせるだけ削ぎ落とした、お互いの存在と24時間だけが全ての愛の形。
抱き合いながら、
僕たちって、なんですか?
って、これはちょっと究極ですね。エモい。

エモナイーブ、燐の台詞はこのへん切ない。

痛いっ!だってほっぺが痛いよ!痛い!!
嫌……やめろ……
命じてくださいっ、王女さま!このひとと戦えって命じてくださいっ!
も……縛ってなくて大丈夫だから……、この縄、外してもらえませんか……?
はい、必ず。どこへも行きません。あなた以外の誰のものにも、僕はなりません……
でも王女さま……。僕の手はもうすっかり汚れてしまったから……、どうかいつでも、僕を捨ててください
僕にとっては、これが本当の幸せであり、望んだ形ですから
……僕は……、僕は、あなたとともに堕ちる地獄ならば、なにも怖くない……。あなたとともにいることだけが、僕の選ぶたったひとつの道なんです
それでもっ!こんなふうに僕の心をおかしくさせたのは、後にも先にもあなただけだ!!!
もうこれが……あなたからの最後の命令ですか……?
あなたに出会った瞬間に僕は生まれて、あなたのそばにいる瞬間だけ、僕は生きていた
輝夜さまは、僕の手を引いて、幸せまで連れて行ってくれるって言ったのに……っ!
……王女さま……。どうかこれ以上苦しまないでください……。どうか……どうか、あなたの罪はすべて僕に……
この期に及んで、その他の方法を探すんですか?
……いつからそんなに優しい方になったんです
うれしい。そう言われると、なんだかうれしいです。つまり僕も、あなたを愛しているのかな

ついつい長めに語ってしまいましたが、言うまでもなく全部私の勝手な解釈ですし全然自信もないんですが、2人がものすごく愛し合いながら生き抜いたってことだけは断言できる。
愛おしさに泣いてると思ったら突然針刺したりするから意味が分からないと思うんだけど、輝夜が燐を虐待するのって、自暴自棄になった時、力が暴走した時、僕のことなんか捨ててくれとお願いした時、代わりに僕が女王を暗殺しに行くって願い出た時、全部燐が側から居なくなるかもしれないって感じたタイミングなんですよね。失うことへの恐怖と失いかねない自身への罰なんだよなあ。
ほんと精神的な余裕が無いというか、めちゃめちゃキャパが狭い女ですよ輝夜は。そうなってしまったのはほとんど皇樹のせいなんだけどね……。
次はいよいよその皇樹なんだけど、もう今の時点で彼の名言の数々を消化しきれてない有様なんですが大丈夫ですかね私…………。

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PURE WOOL (2014-03-28)
おすすめ度の平均: 3.0
3 バグが非常に多い
3 君臨者か母親か
5 愛と憎しみは表裏一体。刺さる人には確実に刺さるゲーム。
3 まともな人が1人もいない……。
5 乙女ゲームではなく映画なら最高

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