皇樹の感想

輝夜編もこちらで最後、皇樹ルートの感想です。

皇樹(女王蜂の王房 輝夜編)

名言が多すぎるんだよお

以下、ネタバレ含みます。ご注意ください。


2.5Pあたりまでは虚ルートと共通かな?なので、前半はさっくり参ります。
皇樹のEDは8個。

「禁断の愛」
最速END

「悪乗りの代価」
スカ許さないEND

「大好きな大好きなお兄さま」
この醜い雌豚がぁっ!!!END

「腐敗の手」
やっと触れてくれた手END

「羽化し損なった女王蜂」
惜しいところまでいったのに失速END

「素敵な実験体」
その他大勢の性奴隷生活END

「炎獄」
激情の炎END

「真実の核」
ベストEND

まずは開始早々こっちが混乱の渦に突き落とされる例の近親相姦からですけど、皇樹お兄ちゃんへの愛を胸に駆け落ちしようとすると
刺殺リセットで終了
何も始まってないのに嘘だろ?!OPさえ見せてくれないなんてさすが皇樹!厳しい!!!

選ばなかったら選ばなかったでガンギレ皇樹との地獄の始まりですよ。どないせいって言うんじゃ。
確かに陵辱の日々から救い出したのは皇樹ではあるんですが、とはいえ
あなたの複製を作り、あなたという本体は眠らせ幸せな夢を見続けさせた……
この“幸せな夢”ってのが作者本人とのラブラブ兄妹生活って時点でどうかしてるんだよなあ……。
案の定
操っていると思っているだけね。そうではない、あなたはただの狂人よ。近親相姦ごっこの大好きな、ただの変態よ
なに……?
でぶっ叩かれるんですが、
めちゃめちゃ痛いとこ突かれてますね
でもねーーー。この設定、皇樹の趣味がやや強く出ちゃってはいるものの、本当に2人にとっては甘くて優しくて儚い夢のような生活なんだよな。ついつい深層での理想が具現化しちゃってるでしょこれ。

虚の噴射事件にキレた皇樹の激昂を止めないと壁に叩きつけられるEND4。

このあたりからじわじわ輝夜の核が染み出してきていて……。
虚・皇樹との1戦後、本当は歩けるのに抱き上げてもらい、
皇樹らしからぬ動きで彼はそっと私をベッドに横たえ、やはりあまりに優しくされているようだったので私は絶対に目を開けたくなくなった。
っていうすごく女の子な内心を読んだ瞬間、思わず泣けちゃいました。
優しくされたいんだなあ
なんとか皇樹に優しさを感じようとしている輝夜がいるんだよなあ。
そりゃそうだよ、こんなに辛辣に扱われる理由と目的が全然分からないんだよ。輝夜だって若くて小さな女の子なんだよ。白鴎を理解した私でさえ全く理解出来ないんだから無理だよ。

でこの後の会話シーンが素晴らしかったんだよーーー。
輝夜は必死に自分を保ちつつ皇樹との会話をかわそうとするんだけど、一歩一歩追い詰められて
私が怖いのですか?姫さま
いいえ、あなたは怖いんですよ。だから怯えて、必死になり話を逸らそうとしている
図星だった。
ってこの時の緊張感。
皇樹の底知れなさと、輝夜の恐れ、2人の間の空気が濡れ場に匹敵するくらい濃厚でした。

続いて白鴎とのクソエモ贖罪セックスBADを回避しないとダメなんですけど、虚ルートできっちり見届けたのについもう一回読んじゃったよね……。
皇樹への恐怖が絶頂なこのタイミングで、優しくされたい愛されたいって気持ちをずっと抱えてる輝夜が、この作品で1番優しい男を独占したくなる気持ちはすごく分かるし、本当に欲しかったものは手に入れられなかった同士、憎悪してその憎悪を受け止めながら、共依存。
白鴎は呪いのせいで輝夜を殺せないし、輝夜はなんとか白鴎を生かそうとするんだよな。何度読んでもこの結末のどうしようもなさは強烈。

白輝沼をどうにか抜け出しまして、待ってたのは皇樹のお説教。
人間ごときどう扱ったとて許されるのだと諭されるんだけど、
分かりますか?私の可愛い可愛い王女さま……
と囁かれた瞬間、皇樹お兄ちゃんとの近親相姦ごっこが再開してしまいます。

蜂の記憶を取り戻さない輝夜は皇樹の部屋に監禁されてEND11。

このへんからようやく皇樹の今までの行動の理由がうっすら推し量れるようになるんだけど、
滅茶苦茶にぐちゃぐちゃに、この男をめった刺しにして血みどろにしたい。
そうしてそれから、その血みどろの体を……抱き締めたい…………。
様々な立場で様々なことを経験してきたからこそ、あなたはそれらの感情を持ち合わせることができたのですよ
皇樹は輝夜に、蜂と人を愛することも憎むこともできるニュートラルさを求めてるように思えるんですよね。
このルートは「愛憎」という強固なテーマがあるんだけど、愛しながら憎む、憎みながら愛す、という境地を輝夜に理解して欲しかったのかもしれないな。愛に偏ると鉄拳制裁が下されるのもそう。

憎いですよね。この世のすべてが憎い。憎めばいいのですよ、好きなだけ。さあ、どうぞ。あなたの心が軽くなるお薬です
と薬を盛られ、両手足拘束、限界まで開脚されて挿入。
私の……っ、衣服は汚さないでくださいね。ねえ?王女さま!
に、ならいい加減服を脱げと思ったし、
だ……れが、イッていいと言いました?誰がっ、勝手にイッていいと言いましたかぁっ!!?
にも、そんなご無体な~~~毎回スパルタが過ぎるよ~~~~~と思ったんだけど、まさかこれらただの性癖だと認識していたものが後々効いてくるとは露知らず。

王女さま。私とともに、この世を支配しようではありませんか
と唆す皇樹の言うことを聞いてれば大丈夫だという不思議な安心感を覚えた輝夜は
真っ黒になるって、気持ちがいい。
にて闇堕ち。いや、闇堕ちっていうより皇樹の言う“最高傑作”にまた一歩近づくわけですね。

降りた下界で皇樹の能力を目の当たりにするんですが、素手で触れた者は即死して風に散るっていう、何とも美しく切ない力なんですよ…………。
自分の追放と放置は母の計画ではないかと気づいた輝夜は女王と対峙。
地獄を生き抜いてなおこの国から闇を払いたいとこの世界にしがみついていたのに
人も蜂も母も憎い
この先も地獄でしかない、愛されたい輝夜にとっては確かにそうだし、反乱因子を持って産まれたせいで殺されるはずだったあの時に死んでいればよかった、って思ってしまうのもしょうが無いですね。
ここでやってくる選択肢、「私を殺して」or「母を殺して」に痺れちゃったわ。

皇樹に私を殺してもらうとEND12。やりきれない最期です。
実際女王はどうだったのかなあ。
私には本当に輝夜を愛してたように見えたんですけど、いやこればっかりは分かんないなあ。

ここから皇樹が本格的に表で動き出すんですが、トントン拍子です。よっぽど機会を窺ってたんだろう。
白鴎と貴峰丸を餌にする悪趣味な計画で全てを憎しみに変えられてしまい、輝夜は追い詰められ葛藤してるうちに、めのうが女王蜂として羽化したとの知らせ。あああああなんというタイミングの悪さだよ。
ってことはですよ。
……王女さま……。女王になれなかった時の私との約束、覚えてらっしゃいますよね……?
もちろんですとも!!!!!
ナイフで割腹、マジで取られちゃったよ子宮。
どうですかっ、この温かく穢らわしく醜い子宮は!!このたったひとつの臓物が!この国を作るだなんて!
と激昂しながら明らかに違う部位を両手に握る皇樹ですが、女王蜂の子宮ってめちゃめちゃデカいのかもしれない。何匹も産むんだもんね。

本当に守りたかったものが分かったと同時に羽化、輝夜も女王蜂として覚醒。
つか内臓無くしたくらいじゃ死なんのだな、すげえ生命力だよ。
そして待ってました!
女王蜂無双です!!!
馬乗りになって顔面殴打、鼻血を出した諸悪の根源に対して
憎らしいその声を耳に入れることも耐えがたく、そののど元を殴りつける。
雄は私の体を逆に押さえつけようともがくが、その腕を殴りつけ、へし折った。
いや~~~~~ここまで見てきた分この逆襲は爽快ですね。

ただ輝夜は錯乱してしまって、目の前の憎い雄の名前が分からない。
思い出せないまま愛しのお兄さまを撲殺するとただの雌蜂に戻ってしまうEND13。

ぷつりと意識が途絶えて、目覚めると自室。ただし腹が猛烈に痛い。
その腹の傷は、もう一生癒えないよう呪いをかけさせていただきました
女王でもない。子宮もないので、王女でもない。つまりあなたは今、ただの雌蜂ですよ
最悪すぎる…………
暴力と苦痛と恐怖によって性奴隷に堕ちるEND14。
王女と側近としてそれなりに同じ時間を生きてきたはずなのに、今はもう何人もいる中の1人ってのがまたキツいっす……。マジで最悪としか言いようがないBADでしたわ………。

そしてようやく!この数多の修羅を乗り越えて!!!ようやく最後のEDと真相なんですが!!!!!

まあまずは、どちらが本物の女王蜂なのか問題です。
本物の女王蜂なら皇樹の能力では殺せないということで、さくっと確認されるんだけど、
ああ、現役の女王蜂ならば、ということですよ。まだ女王蜂としての力を持たぬ者や、衰退し女王蜂の力を失いつつある者は、殺せます
ってそれ下手すりゃ輝夜死んでたかもしれないじゃん、相変わらずおっかねえ男だよ。

でとうとう、全く想像出来なかった皇樹との和姦なんだけどさ………。
こうして……触れたかったのです……。あなたの、この……美しい素肌に…………
謎が、解けたよね……………
体に触ろうとすると殴られるのも、セックス中服を脱がないのも、女王道の鬼スパルタコーチと化すのも、ここに7割くらいは収束するわけだよ。あとの3割はまあ皇樹の性質だろうなってのもまた愛おしくてですね。
優しくキスされて、
いや、実際に性器以外の皮膚が触れ合ったことなど、私たちにはこれまでなくて……。
って回想にクッソ泣けました。
その上、
駄目です、ん、はぁっ……今日は私と一緒でなければ……、そんな簡単に達してもらっては、駄目なんです……
やめてえええええええええええ
今までの散々先にイッては怒鳴られた記憶が新鮮なうちに、ついに同時イキしたいみたいな超可愛いこと言い出すのほんとやめてえええええええええええぇ……えっ…うう…(嗚咽)

これ以降がま~~~胸熱展開でして、輝夜は自分の本質に触れてしまうんですが
生きている限りずうっと……、私は苦しみ続けたがるに違いないのだ。
彼女はどうやったって穏やかになんて生きていけないんだよね、それが輝夜という蜂の性なんだよなあ。だろうなって感じはもうずっとしてたんだけども。
いやでも、こんなにがっちり、対ではまることある?
まさに鍵と鍵穴な錠前カプじゃないか
もうここまで来ちゃうと、お互い以外に受け止めきれる人いないよなあ。

めのう蜂軍と輝夜ヒト軍の決戦前夜、虚と燐によって皇樹は陥れられることになるんだけど、これまでの仕打ちを身近で見続けてたらそりゃそうなるよなあああ。本当のところは当人にしか分からないもんね。この展開にはすごく納得したし、嬉しくもありました。

燃え盛った教会の中で、「そろそろ、潮時かと」とその場を動かない皇樹に、「そんな穏やかな声を出さないで……っ」と取り乱す輝夜がさあ。これから全てが決まるってのにさあ……頂点に登りつめるのを見届けてやれよ皇樹……。
この私があなたに完敗を認めているのですから、どうかもうこのまま、逝かせてください
という言葉に輝夜も
本当は分かっていたの。私がいなければ、私が無駄に動かなければ、あの子ひとりが王女として生まれていれば……
すべては平和に……丸く、収まってたの………………
ああああそれ言っちゃうかあああ
生きるためにずっと見ないようにしていた真実の1つを口にして、全てを手放して、運命に敗北した2人は死んでいくんですけど、
醜く焼けただれる互いの姿を……、この目で見届けようと……。
やはり最初から最後まで醜かったと……、そう……思おうと…………。
こんな美しい心中ある???
ちょっとこの後しばらく放心しちゃった。久々にすごい死に様を見た。

そして真相。皇樹の正体が明らかになるルートですが、道中の詳細は割愛させて頂きまして、とりあえず心から感心した結末の感想だけ。

バルコニーに現れる皇樹、これは敵対する王家云々って彼が思い描いたシナリオを引いてるのかな?
こちらへ、来なさい……
の色っぽさが壮絶だし、
絶対に、あなたを殺してやる……
ええ。ぜひお願いいたします……
と言いながら抱き合う2人が美しすぎました。

輝夜と皇樹は完璧ではあるけれど、陰の気が強すぎて絶対傍にいちゃいけないと思うんですよ。世界のくだらないことなんて棚上げして、愛も憎も削ぎ落として、ただセックスだけしてるのが1番良いと思うんですよ。たぶんこの後も蹴られて殴られて、それでも一緒にイクんだよ、この2人は。

さすがに子宮を取ることで女王蜂として覚醒するとは皇樹も想定外だったはずなんですが、結果として分割統治に繋がったんだし、哀しい生き物である皇樹の子を産むこともないし、あの世界の状況としてもベストなんだよなあ。

これ以上に丸く収まる着地点、他に無いんじゃないかと思うんだけど、でも一応は乙女ゲームの、特にあれだけ色んなことがあった2人が物語の最後に辿り着くのがここって。身も蓋もない言い方すると、要はセフレエンドだよ!?
私はその思い切りの良さとキャラへの愛情に感動しました。これはすごく練られて大切に選ばれた、素晴らしい結末だと思います。

皇樹ルートは選択肢と結末の関係がエモいので、もしお時間が許せば自力攻略をお勧めしたい。
END20を見た時の感慨がより強まるはず。

皇樹の台詞は本当に名言の宝庫で語録作りたいレベルなんだけど、めちゃめちゃ絞ってこのへん。

……その目。その目が、私は本当に嫌いです。あなたのその迷いのない目が、私は心底嫌いなんです
こんなにも素晴らしい痛みを、あなたに与えることのできる雄が、私以外におりますか?
そうですよね、あなたを殺すのは私でなければ
まったく、のろまな肉ですね
あなたを辱め、なぶりいたぶり絶望の淵へ突き落とし、あなたの好きなものも壊してしまい、あなたも壊れていくのならそれこそが素晴らしい
落ち着きなさい。あなたが堕ちる場所は、こんなところではありませんよ
ふっ、どうせ……。あなたがどれだけあがこうとも、あなたの心には私が一番大きく存在し続けるのです
私を、殴りますか……
昔のように、もっとギラギラした目を見せてくださいよ。今のあなたさまはまるで……そうですね、菩薩のようです
世の中のすべてに絶望してくれればいいと思っていました
最後くらい、楽に死なせてあげてもいいかと思っておりますよ

1つこの先に願うとしたら、輝夜には前女王以上に長生きしてほしいなあ。
彼女は生命力強いし、最後まで生にしがみつける意地もあるし、食料を安定供給出来る世界が続くならしばらくは大丈夫だろうけど、輝夜が死んだ後生きていくつもりはもう皇樹にはないと思うんですよね。
出来たら輝夜が死ぬ前に皇樹を殺してあげてほしい、彼女はそれが出来る女だと思うので。
それにしても
腐敗のちんこじゃなくて本当に良かった
いやいや、これもすごく練られて大切に選ばれた感想の締めなのであります。

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PURE WOOL (2014-03-28)
おすすめ度の平均: 3.0
3 バグが非常に多い
3 君臨者か母親か
5 愛と憎しみは表裏一体。刺さる人には確実に刺さるゲーム。
3 まともな人が1人もいない……。
5 乙女ゲームではなく映画なら最高

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