これにて吉原も最後の攻略、楼主・桜華屋時雨まいります。
人類の命運は全然かかってない方の
アルマゲドンをいざ
ちなみに生きて帰れる気は全くしない
以下、ネタバレ含みます。ご注意ください。
時雨はベストへ向かうルートと真相へ向かうルートで内容がだいぶ違ってくるんですが、まずはベストの感想から。
EDも先に並べちゃいますね。吉原~駿河間に落ちまくってくる隕石・時雨のEDは4つ。
「夜明け」
不穏すぎるEND。
「堕ちた花魁」
再萌え連発END。
「彼岸花」
このまま2周目へEND。
「見ている」
呪縛は続くよEND。
凛の時雨に対する感情って、ものすごく複雑なんですよね。
父兄に対する家族愛みたいなものから、身を挺して庇ってくれたことへの信頼、雇い主としての尊敬、感謝、畏怖、ほんと色々混じってて、とても一言じゃ言い表せない。
これはどちらのルートでも同様でした。
そんな「恩を返したい」「役に立ちたい」「認められたい」に、突如「女として見てほしい」が加わっちゃうんですよ。
こういう恋心って一度火が点いちゃうと延焼するスピードがめちゃめちゃ速いんだよなあ。
親代わりや雇い主に恋愛対象として見てもらいたいって先生とか上司とか相手の感情と一緒なんで、流れとしてはとっても自然なんですけど、
なんせここ吉原なんだよなああああ
「商品として扱われる遊女が」の前提にくっついて来ちゃうものが萌え度を爆上げ。
「どう取り繕ったところで、お前を遊女に仕立て上げて、身を売らせているのは私だよ」
いやもうほんとおっしゃる通りです。
ここで、紫乃という堅気の女が登場。
タイミングとしては超絶に間が悪い。自分が知らないあやとりを知ってる描写も憎い。
桜華屋を家だと思っている凛にとって、この新規参入は辛いよなあ。
ここで千早として応援しようって気になれる凛は本当にいい女ですね。私なら着物に針くらい刺しとくよね絶対。あーもう早くセックスしてほしい。
白い仕懸を肩に掛けてくれて、
「きっといつかは、凛も身請けされて誰かのものになるさ。お前を欲しがる男はたくさんいる」
と微笑む時雨様。
吉原に縛られてるのは凛だけど、同じくらい時雨も縛られてるんだよなあ。
むしろ年季や身請けといった希望が幾つか残ってる凛より、見送らなきゃいけない時雨の方が辛いかもしれない。
そんな2人のこの先を想像して同情しそうになったのに、あろうことかキスして来やがって
「……お嫁にいったら、こういうことは旦那としかしてはいけないよ」
時雨様おいいいいいいいい~~~
お前どういうつもりなんだよ!そんなことされたら一瞬で強火になっちゃうだろ!!!って、どういうつもりもなにもそういうつもりだし、強火になっちゃうのなんて時雨様は全部承知の上ですよね、なんならもう既にその辺にガソリン撒いてますよね。ほんとずるいよなこの人。
この直後の客が惣一郎ってのがまたガソリンに強火。
(あの口づけをされたあと、互いに我に返らなければ。)
(何かの歯車がひとつ狂っていたら、自分たちはあそこであのまま――。)
と、凛は舌さえ挿れないキス一発でもう完全に上の空。
惣一郎に時雨を重ねて抱かれるって、これはさすがに業が深いぜ。
(全身を揺さぶられながら、凛はぎゅっと目を閉じた。許されることなら耳も塞ぎたかった。)
が、凛にしても惣一郎にしても色々悲しすぎてさあ。
しかも時雨を想像してる凛は普段よりもっと感じちゃうし、に対して惣さんはもちろん喜ぶわけで。ふわああああ地獄。
私こういう背徳的なシチュ大好きなんですけど、
「そこから救い出されることが、あなたの幸せだと思っていた。――独りよがりだったみたいだね」
らへんは、ちょっと不憫すぎて見てられなかったです…惣さんこれからどうやって生きていくんだろうか……。
この後やってくるのが2人きりでの線香花火。
こっちの火力は線香花火どころか一軒分の電気生み出せそうなレベルで燃え盛ってますけど、ここらで凛の理性も限界。
凛からキスしてみたけど、さて時雨様の反応は!?????
(一瞬身を強張らせたあと、時雨は凛の肩に手を置き、その体を押し返そうとした。)
からの~
(その手を凛の項に回し、逆にぐっと引き寄せる。)
からの~~~~
「どうしたんだい……いきなり」
「……これは、気の迷いだろう?」
です!!!!!!
ずるい。ずるすぎる。ずるすぎるっていうかエロすぎる。
「――私こそ、楼主失格だね」
にて、完。あーーーーーもうほんと早くセックスしてほしい。
その先はさすが楼主です。
「今夜からはもう、お前を誰にも渡しはしない」
で難なくお勤め解任。
よくよく考えたら、遊女的には最強の相手じゃないですか?雇い主が恋人なら今日から恐いものなしだよねえ。
「――そして私も、ただの男というわけだ」
から始まるようやく来てくれた濡れ場ですけども、とりあえず「……は、あ……」みたいな喘ぎだけの台詞が全部やばすぎました。ダイレクトで脳に来ます。
あまりにも前戯が丁寧なので、
「時雨様……私、こんな……」
「うん?」
「こんな……大事に、されるような……女じゃ……」
と、凛が感極まってしまうあたりがキュン度高し。
お返しに攻めようとした凛に、
「最初の一度くらいは、年上らしくいさせてくれ。そうでないと面目を保てない」
と照れを隠しつつやんわり断るのも時雨様らしくてすごい素敵。
(凄絶なほどに狂おしい激情が、時雨の瞳の奥で揺らいだ。)
と彼も強火で焼かれた以降は、その激情を乗せて抱いてもらえるんですけど、このタイミングで紫乃が登場。
今回は超絶に間が良い
紫乃さんありがとう…。もう針刺したりしないから安心してね……。
激烈挿入中だというのに全くスピードを緩めないまま、
「ええ、よろしく頼みます」
が最強にエロかった。
この人いざとなったら本読みながら腰振れるタイプですね。時雨はエロ方面の設定が色々濃いわ。
そのまま楼主の座を引退した時雨と手を取り合って吉原脱出、という結末には一応なるんですけど、
ちょっとこれ不穏すぎない…???
世間的に認められる話ではないので後ろ指をさされながら、という状況を差し引いてもこれは…。
真相を前提としてる感じがすごく残るので、もう少し幸せな2人を見届けたかったなあ。
BADはあちらこちらでやりまくり、皆様の予想通りにこれすごい好き…。
特に彰人と路地で立ちバック
「お前……思ってた以上に、とんでもない女だな――」
とか言いながら速攻中出ししちゃう彰人に再萌え、平手打ちを正面から受けてくれる辰吉も最高でした。
さて、いよいよ真相ルートの方なんですけど…。
凛を隠したあの日から、彼の中でかくれんぼは続いてたのかもしれないですね。
「こうでもしなければ、お前は逃げるじゃないか」
ここで時雨は間違えたんじゃないかなあ。これかくれんぼじゃないもんな。
この、いつの間にか目的がすり替わってしまったところに、時雨の生きにくさがよく現れてる気がする。
鬼の登場と失明へのカウントダウン、時間的な猶予があまり残されていないことに、時雨は功を焦ってしまったように思います。
この10年を無駄にして、恨まれかねない手法をとって、
「そうして、この先もずっと私のそばにいると誓いなさい」
って、時雨は時間さえあれば絶対もっとうまく誓わせられるタイプだと思うんですよ。両親への罪を見逃してもらえるくらいのシナリオ書けちゃうと思うんだよなあ。
時雨の抜け目なさを考えると自首に近い失態だと思うんだけど、逃げる足を止めたのは、凛や惣一郎や自身と向き合う彼なりの覚悟だったのかもしれないですね。
ただもう濡れ場の方は最初から最後まで、
桜華屋時雨の真骨頂!!!!!
って感じです。
真骨頂1発目は、折檻部屋での調教開始から。
まずご紹介申し上げたいのは、
(時雨の男根は、太さこそ人並みでありながら、異様な全長があった。)
です。時雨様のが超長いって、めっちゃめちゃエロくないですか???
「お前とどんな遊びをしようか、色々考えたんだけどね。とりあえず、これから試してみようか」
と言いながら筆を持ち出してきたのでコチョコチョするのかと思ったら、いきなり突っ込むし、まさにやりたい放題。
ただ、
「いいよ。そっちのほうが好きなら、自分で弄って気持ちよくなってごらん。私は見ていてあげるから」
で、この人挿れて振ってる腰を本当に止めるんですよ。
凛のエロい姿を見るのに全力なんですよ……
「凛のエロい姿に全力」は次の張り型での自慰強制でもそうでして、
それに気づいてしまった凛が、
「っ……ご覧に、なれてますか……?」
「ああ、見てるよ」
ここで私、肝心の濡れ場中だというのに、この2人の不器用さにものすごく切なくなってしまい…。
これもしかしたらもうほとんど見えてないかもな……と思いながら、
「はぁっ……少し、激しくするよ……」
(時雨が凛の後頭部に手を回し、逃げられないように固定させたあと、腰を叩きつけてきた。)
フェラ中腰を振ってくる男大好き!!!!!!
と無事に私だけは回復。
精液全飲みした凛に
「はぁ……はぁ……こんなことを、客にもしているのかい?」
「こんなこと……時雨様が初めてです」
「……っ」
って、楼主としての立場を完全放棄した時雨様がいよいよ危ういんですけど、嬉しいと思うことにはちゃんと反応するところが愛おしいです。
「時雨様……まだ、できますか……?」
と凛から誘って2回戦、ここで初めて拝める隻眼の時雨様が超かっこいい。
しかも潰れた左目が性感帯
超かっこいい上に設定も超エロい。
過去ごと愛そうとする凛に、
「――勝手なことをするんじゃない」
「勘違いするんじゃない。お前は私の抱かれるだけの人形だ」
なら魂宿してやるよ!!!!!
とまたしても私だけが絶叫。この絶叫は我ながらマジで恥ずかしい。
盛大にイッたところで続く追い打ち、薄れかける意識を無理やり引っ張り上げて
「ゃ……時雨様、許して……もう、これ以上は許してぇ……」
「駄目だよ……もっと壊れてごらん」
が心から真骨頂でした。
時雨の真相ルートは凛を自分に溺れさせる過程を、手法含めてじっくり見せてくれるのが有難かったです。
大抵こういうタイプの濡れ場ってもう堕ちた後か堕ちる程のことやってないかどっちかじゃないですか?そこ端折るなよ!そこ手抜くなよ!っていつも思うんですよねえ。今回は文句無しにお腹いっぱいになりました。
結局のところ、凛も時雨のこと一人の男としてちゃんと好きなんだな。
相変わらずすっごい複雑だけど(私は――時雨様を産みたい)はやっぱり愛だと思うんですよね。
「私は、あなたがわかりません……」
「うん。それでいいよ」
って時雨は言ってくれるけど、凛ほど桜華屋時雨という人間が理解出来る人いないと思うんだよなあ。
(どのみち、なんらかの手段で流すしかないのに……それが自分の子かもしれないと思うのは、嫌なのね)
ってかなり重要なポイント押さえてると思うんです。この最中にこれだけ冷静に彼を見てるのって、時雨も怖いけど凛も十分怖いよ。ゾッとする強さですよね。
この2人は本当にあともうちょっとだった気がするんだけどな、やって来てしまう時間切れ。
ラストの
「――見たいよ」
には泣かされました。
時雨が最後に見たのってどの時の凛だったんだろうなあ。
でこっちルートのBAD「見ている」、これもさあああああああ。この結末はほんとキツかった。
いや正直
「時雨も浮かばれねぇな。――そりゃ、お前が考えることだろ」
にはめっちゃめちゃ萌えまして。
惣一郎VS彰人はちょっと私にとってご褒美すぎた。この2人が並ぶのすごい好き。
ただ、惣さんの
「どこにも行かないよな?」
と
「やめてくれ……やっとこれから、凛と生きていけると思ったのに……」
が疲弊した心をえぐりまくり…(ただし濡れ場にはクソ萌えた)
これある意味「吉原彼岸花」という作品の悪夢詰め合わせだと思うんです。
どんなにお金があっても、大門を抜けても、店が焼け落ちても、楼主が死んでも、
吉原の桜華屋からは逃げられない
って、こんな地獄他にありますかね…???
今まで見てきた他攻略対象とのハッピーエンド全否定じゃないですか……。
凛と惣一郎以外も、多分関係者みんなまだ心は桜華屋に縛られたままだよ、超こええ。
隕石どころかデス・スター、時雨様の台詞はこのへん。
「うん。いい子だ」
「……お前。今、私に遠慮をしたね?」
「甘いものを食べさせたり、何かを買ってやることでしか、私はお前を元気づける方法がわからないんだ」
「――好きだよ、凛。お前のことが、誰よりも何よりも愛おしい」
「廓の掟を破っても、誰に後ろ指を指されても、お前を攫っていきたいんだ」
「静かにしていると約束できる?」
「なんだ、もう降参かい?」
「お前の体どころか、影でさえも、他の男に触れさせたくはなかったよ」
「私も、よくてたまらないよ――一緒に、我を忘れてしまおうか」
「私がいないと生きてはいけない。そういう体に作り変えるだけのことだよ――」
「お前がしてほしいことを……はぁ……私はお前以上にわかっているから……」
「触ってあげるから、脚を開きなさい」
「く……これは、なかなか腰に来るな……はぁ……さすがの技だね、凛」
「どうしてお前は、こんなときですら美しいんだろうね……」
「これが罰というものなら……抗おうとは思わない」
「まだそれだけしか知らないのか」
「まさか、親というものが、そこまで我が子を大切にするのだとは知らなくてね」
「……そろそろ潮時かな」
「馬鹿な子だ……やっと手放してやる気になったのに」
「お前が私を優しいと言ってくれれば、優しくなれた」
「尊敬すると言ってくれたから、そうあろうと努力した」
「……行きなさい。お前にとっては、きっとそれが一番いい」
このルートは何をどう書こうかなあ…と悩むくらい重い話だったんですけど、結局濡れ場の話ばっかりになってしまいまして、呆れるほどに本日も平常運転です。